安全神話という幻。12年ぶり、グランプリ開催期間中の死亡事故発生。
ローランド・ラッツェンバーガーが事故死したのがこの日。
前日のバリチェロの事故。そして、この日のラッツェンバーガー。
事故原因は、「最終シケインをショートカットした際にフロントウィングを傷め」、タンブレロからヴィルヌーヴへ向かう短いストレートで、マシン全体からすると本当に小さな「翼端板が外れた」ことによるとされる。
それだけ。コントロールを失うには充分だった。
フェラーリにとっての永遠のヒーロー、ジル・ヴィルヌーヴの名前を冠したコーナーのウォールに激突。
左半分をもぎ取られ、そのままトサまで飛ばされたマシン。
「ラッツェンバーガーは病院で死亡した」そうだ。
デビューイヤー。F1ドライバーとしてのキャリアだけでなく生命のキャリアを終えるには、あまりにも早すぎた。あまりにも悲しい。
そして・・・悲劇はさらに続く。
だが、あの年のイモラは、いろいろなことが起きた。
バリチェロの事故。ラッツェンバーガーの事故死。
そして決勝レースでおきたアクシデント。
スタート直後に観客を襲ったアクシデント。ピットスタッフを襲ったアクシデント。
セナの件も大事だ。しかし、それだけがすべてではない。
もう一度言おうか。
セナだけではない。