最期への道を見ている間って
まるめた雑誌に叩かれて瞬時に命を絶つ一生って、どんなだろう。勤務中、窓の向こうに見える飛行機がだんだん大きくなってきて、こちらに迫ってきて、そして瞬時になくなってしまう一生って、どんなだろう。
どんなもなにも、考えてるヒマないと思うよ。オレ的には、落ちていく飛行機に乗っている数分間のほうが、残酷だと思う。落ちていく国に乗ってるのに気づかない幸せで、最後の瞬間まで気づかないのはシアワセなんだよね。どっかーん。
いつかも引用させていただいた北口いづみさんの「いづみ日記」の一文と小丸さんのコメント。
そして。
インディで死んだゴードン・スマイリー、イモラで同じくコントロールを失って壁へ突き進んでいったラッツェンバーガーとセナ。
昨年の尼崎・・・
墜ちていく飛行機の中で人は、何を思ったのだろう。
己の意思に関係なく壁に向かっていくマシンの中で、彼らは何を思ったのだろう。
脱線した車両の運転席で、マンションが迫る中、それを誰よりも近くに見ている運転士は何を思ったのだろう。
その最後の瞬間まで人は、生への執着を見せる。
123便のコックピットでクルーは、すでに満足にコントロールできなくなった機体を最後までコントロールした。
スマイリーもラッツェンバーガーもセナも、激突する直前には頭を壁から離そうとしていた。
おそらく、あの運転士も同じだったのだろう。
そしておそらく、総ての航空・鉄道事故においても同様に。
一方で。
クルーにその身を委ねるしかなかった乗客は・・・彼らは何を思ったのだろう。
その答えが聞きたい。